有恒会評議員会・総会・講演会・懇親会開催
と き:平成30年6月9日(土) 午後1時~午後5時
ところ:田中記念館ホール・1階ホワイエ
6月9日(土)、田中記念館ホールにて標記の会合が開催され、全国各支部代表者、評議員、有恒会員、大学役員・幹部教職員等が参加され総数140余名の集まりとなった。
評議員会・総会では、①平成29年度活動報告②平成29年度決算③平成30年度活動計画④平成30年度予算⑤役員改選⑥相談役・顧問改選⑦選考委員改選の7つの議案が承認された。役員改選では、本総会をもって尾山基(商昭49)氏が会長退任、新会長には岡本直之(商昭45)氏の就任が承認された。
平成30年度活動計画では、全学同窓会との一層の連携を深めるため、会誌一本化した「大阪市立大学同窓会報有恒」(7月・1月発行,A4判オールカラー 52P)発行と、有恒会独自の「有恒会ニューズレター」(年3回,A4判4P)発行の報告があった。
講演会では、八木孝昌(経昭41)氏より「五代友厚伝」事始と題する講演が行われた。
これまで「五代友厚伝」が研究者等によって何冊か刊行されている。いすれも五代政商論の枠組みとなっており、北海道開拓使官有物払下事件の張本人で、政商であるという悪名が残ってしまった。「五代友厚伝」を刊行して、五代の無実を明らかにしたいとのことであった。全学同窓会は、八木氏に、「五代友厚伝」(3年後刊行予定)の執筆を依頼している。
なお、この講演についての感想のメッセージが山本静岡支部長より、次のようなメールが届きましたので紹介します。
―面白かったのは私の一年上の経済学部出身八木孝昌氏が1880年の大阪商業講習所を設立した五代友厚についての講演でした。五代は薩摩藩出身ですが、有名なのは同じく薩摩藩出身の北海道開拓使長官黒田清隆と組んで、開拓史官有物2000万円を実に30万円で買い取る画策を行なって、腐敗していると歴史的には通説となってきたことに対してそうではないことを資料に基づいて仔細に説明されたことです。わたしのような歴史家から見ても実証密度が高い内容だと思います。当時、黒田らは北海社を組織して、不当な低価格で官有物をいわば横流ししようとしたことは、よく知られています。しかし五代はこれとは無縁の「関西貿易社」を組織して官有物の二つの物件を買い取る予定だったが、黒田らの策動とは全く無関係と言うのです。それも五代関係の最新の資料が発掘されて既に論じられてきたと言うことでした。むしろ五代は島津家に仕えていた当時から、日本全体のあり方を見ていて、多くは討幕派が攘夷派に陥っていたのに対して、彼はむしろ近代化を期待してイギリスなどの最新の智慧を学ぶ態度で顕著だったと言うことです。これ以上は八木氏が大学のために執筆した書物が予定されているようですが、大いに期待出来る内容であり、五代を大阪市立大学の出発点にあったことの意義を明確に知ることが重要に思います。―
懇親会は、ジャズ研究会のBGM演奏、大抽選会(参加者全員に景品が当たる)と、大いに盛り上がり、締めは、昨年同様に塚本京都支部長による逍遥歌「桜花爛漫」プロローグがあり、円陣を組んで大合唱して散会となった。
(文責 編集部)