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2019.07.18 16:12

有恒会京滋支部 三月例会開催

と き: 3月12日(火曜日) 午後6時より
ところ:  からすま京都ホテル

三月例会は、会員にスピーチしてもらう例会でして、テーマを京都と滋賀と交代に掲げている三月例会の今回は、京都の番です。福知山公立大学特任教授の篠原正人さん(昭48年経済学部卒)に、大阪商船三井船舶で培われた経験も踏まえ「海運マンから大学教員へ:わが来し方と世界の海上物流」と題してお話していただきました。

 市大を卒業して就職された大阪商船三井船舶では、イギリス駐在時代は国際金融に、オランダ駐在時代には関係会社である物流会社の経営を任されます。ワイン輸入手配などを現地社員と苦労をともにしてこなしていく中で、親会社からの会社閉鎖と日本への召喚辞令に直面した時に思わず退社を決意されます。奥様にそのことを話された時に、予想外に背中を押してくれる言葉が返ってきたそうです。経営コンサルとして稼ごうとしても思うようにならず、一念発起して大学で学ぶ道を選び、苦労の末2006年にエラスムス大学で論文博士となりました。このような波瀾万丈の人生のお話には、いくつもの興味深い挿話があってドラマを見るようでした。

 このあと、教授になられてからの研究テーマである、港湾政策論、海運論、異文化間のロジスティック論を展開されます。世界の地域別GNPが2000年に比して2020年にはアジア全体で4.3倍に増えEUを遙かに凌駕するようになる。2017年の世界のコンテナ荷動きでは、東アジアが40.8百万TEUと欧州の7.2、北米の0.5を遙かに超えており、中でも上海のコンテナ取扱量は2005年以来ダントツの首位となっている。

 このことから、海運物流の未来は、欧米中心のパラダイムからアジア中心のパラダイムに転換すべきだと主張されます。アジアの物流には日本的な「はたらき方」が必要になると言います。契約偏重(一元主義、合理主義)の欧州のパラダイムから多元主義、関係主義、共同体主義である日本型ロジスティックパラダイムを広げていくべきだと、日本人の価値観はアジアの人たちと共有できるという言葉で今日のスピーチを締めくくられました。

(文責 藤野正純 商昭51)

出席者は以下の通りです(敬称略)。

河﨑 清(経昭29)高木 健次(経昭30)田中 善平(法昭30)二宮 廸夫(経昭31)髙橋 孝三(経昭32)林田 洋一(商昭33)服部 俊一(工昭36)片岡 三喜雄(経昭38)中野 眞雅(経昭38)蔵岡 一彦(経昭40)樋口 邦彦(経昭43)奥田 茂(経昭44)牧野 忠廣(経昭44)富樫 宏次(工昭44)乾 宏(法昭45)塚本  喜左衛門(経昭46)篠原 正人(経昭48)高橋 東作(商昭48)阿部 勝志(商昭48)江崎秀行(商昭48)牧美喜男(商昭48)中江 幸男(経昭49)平山 丈夫(経昭51)藤野 正純(商昭51)池田 裕(工昭53)竹内 敏夫(法昭53)炭山 明弘(経昭54)宮永 昭弘(経昭55)若吉 亮一(工昭56)由利 聡(法平4)森 康祐(商平6)佐藤 正典(商平6) 以上32名


講師 篠原正人氏(経昭48年)

 

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